言語学習アプリDuolingoのためのカスタムフォント
Phil Garnham(フィル・ガーナム)シニア・クリエイティブ・タイプディレクター
Duolingoは、3億人以上のユーザーが利用する人気の言語学習ウェブアプリです。英語だけでなく韓国語や中国語などさまざまな言語を学ぶことができます。グローバルで展開するサービスの顧客に向けて、世界で統一したブランドの声を届けるため、Duolingoはリブランドを検討しプロジェクトがスタートしました。
ロンドンに拠点を置くブランドコンサルタントのジョンソン・バンクス(Johnson Banks)を通してマスターロゴとカスタムフォントの依頼を受けました。
まずは、「デュオ」というDuolingoの象徴的なフクロウのマスコットからインスピレーションを得て、マスコットのデザインに内在する形状が書体デザインにどのように影響を与えているかを調べ始めました。そして、フクロウの翼の形状とれに込められている想いを文字の形に取り入れる方法を考えていきました。
新しいロゴを制作するためのプロセスと初期バージョンのロゴを共有し、方向性をしっかりと把握できるようにしました。翼の形状からディテールを追求し、さまざまな太さや丸みの度合いを試し、慎重に調整しました。
「g」の形状はロゴデザインに不可欠であり、書体全体の雰囲気にも重要な要素であったため、様々なアプローチが検討されました。
ロゴが決定すると、そのロゴのデザインを軸に見出しフォントの方向性を決めて、主要な単語やフレーズに拡張していきました。文字の形がブランドの声として機能するかどうかを初期の段階から入念に検証しながら進めることによって、よりクリエイティブなアイデアが生まれ、スムーズに決定していくことができました。
マスターロゴが様々な検証を経て完成した後、書体の開発に着手しました。デジタルプラットフォーム上のテキストとして、フォントの比率を微調整することでロゴの個性を均等になるよう調整しました。また、いくつかのデザインから選べる代替文字を制作するため、声のトーンとサンプルメッセージを何度も徹底的にテストしました。
フォントに大文字が必要かどうかについて議論があり、小文字のように翼の形状を模した大文字も検討しました。テストの結果、セリフつきの翼は統一感のないアルファベットを作り出し、すべて大文字の組版は想定より強すぎる印象となってしまうと感じました。また、ドイツ語などの大文字を頻繁に使用する言語にも配慮しました。最終的に、シンプルな形状を選び、大文字が小文字を際立たせる役割を果たすデザインを採用することにしました。
技術的なニーズに合わせてデザインを調整し、フォント内でマスターロゴを入力可能な文字として組み込み、任意のキーボード設定で簡単にアクセスできるように代替文字をプログラムしました。
企業のアイデンティティである、マスコットの雰囲気を持った書体をデザインするというところからスタートし、唯一無二のユニークなカスタム書体、Feather(フェザー)が誕生しました。
企業にとって良いブランドフォントとは、企業のためのブランドの声として機能するように精巧に設計されていることです。Duolingoの場合、「g」は非常に特徴的なデザインとして制作しましたが、すべての文字とも調和し、単語から注意をそらすほど強くにならないように配慮しました。形(個性)と機能(デジタルヘッドライン)のバランスをとり、顧客にとって非常に使いやすく、読みやすい、また同時に独自性を持っているDuolingoとして認識できるフォントを制作しました。
Feather はすでにブランドの重要な一部となり、Duolingoのブランドコミュニケーションのすべての側面に展開されています。また、Duolingoのデザインチームとマーケティングチームと共同で行ったブランドの全面刷新と並行して行われています。
書体はリブランディングに重要な要素の一つです。時代の変化に合わせて企業のブランドも変わっていく必要があります。これまで大切にしてきた企業のイメージやブランドの雰囲気はそのままに現代にマッチするロゴのデザインや和文にマッチした欧文書体などのご提案も可能です。リブランドの際に、ロゴや書体は企業にとってどう重要なのか?などのMonotypeが直接企業の皆さんに基本的なタイポグラフィに関するセミナーやワークショップを開催することも可能です。
タイポグラフィに関して、お手伝いできることはありますか?
多言語を必要とする海外展開のためのコーポレートフォントや選定書体のご相談など、まずはお気軽にお問い合わせください。無料相談会も実施しています。
1. フォントのライセンスや使用条件
商用利用やオンラインでの使用に制約がある場合、ライセンスについてご説明いたします。
2. フォントの選択に迷っている
企業ブランドに適切なフォントを選ぶことが難しい場合、目的やブランドイメージに合ったフォントを見つけるお手伝いをいたします。
3. フォントのカスタマイズ
リブランディングなど特定の要件に合わせてフォントをカスタマイズしたり、変更したりする必要がある場合、その企業のフェーズやご要望に沿った形でプランをご提案いたします。
4. フォントの検証や評価
複数のフォントを比較したり、検証したり、どれが最適な選択肢かを判断する必要がある場合、専門的なアドバイスをいたします。例えば、現状のブランドロゴや使用書体についての評価、問題点などをフィーバックし解決方法をご提案します。